CRAFT BAKERIES in Paris 2018 ③

18/10/19

快晴の朝。窓から空を見上げたら雲一つない青空で、「今日は外でサンドイッチを食べよう!」と、決めました。パリでの滞在中、エアビー(※1)を借りていたので、今回の旅のルームメイト・ゆきちゃんを誘って早速話題のパン屋さんへ。メトロのOberkampf(オベルカンフ)駅から歩くこと数分、2014年4月にオープンした、Boulangerie Utopie (ユートピ)に到着。

「Boulangerie Utopie」は、フランスの人気テレビ番組「La meilleure boulangerie de France(フランス最高のパン屋さん)」で、2016年10月に優勝したことで注目を集め、パン屋さん激戦区のパリで多くの人に支持される人気店になりました。この日もお店の外までお客さんの列が出来、噂通りの人気ぶり。店内に入ると右側のショウケースには食欲をそそる大きなサンドイッチ類と色鮮やかで美しいケーキやタルトが綺麗に並びます。その先には甘いヴィエノワズリ、奥の棚にはこんがりと焼かれたハード系のパンたち。目移りが止まりません。

「Boulangerie Utopie」では、ぜひサンドイッチを食べて!と、おすすめされていたので、まずはサンドイッチを物色。クラシカルなジャンボン・ブール(ハムとバター)から、竹炭入りのバンズを使ったハンバーガーやパニーニまで種類も豊富。ケーキ類は我慢して、食後に食べられそうな甘いパンと持ち帰れそうなハード系も選びます。(余談ですが、時間と食事の回数が限られた旅先でのパン屋さん訪問でパンを選ぶ際には、①今すぐ食べたいもの ②その日のうちに食べるもの ③一口食べたら残りは持ち帰れそうなものをバランスよく購入し楽しむよう心がけています。)ああ、胃袋があと何個かあれば…と、思わずにはいられない程、食欲とわくわくが止まりません。

ここは、長年の友人だったパン職人のErwan BlancheさんとパティシエのSébastien Brunoさんが共に始めたお店。お互いにキャリアを積み腕を磨き、いつかはパリにお店を持ちたいと思っていた2人の夢が形になったのが「Boulangerie Utopie」です。「Utopie」は、フランス語で「ユートピア」つまり「理想郷」の意味。夢と思いが詰まった空間にぴったりの素敵な名前ですよね。

旅好きの2人が旅した様々な土地で受けたインスピレーションをパンやお菓子に反映させているそうで、本格派でありながら斬新な見た目や組み合わせのメニューが多いのも頷けます。緑色のクラムのパンは「LE THE VERT SENCHA ET RIZ SOUFFLE」。レジ横に置かれた大きなパンで、量り売りしてもらうスタイル。あられのようなお米がトッピングされていて、お茶の苦味と風味が生かされていて美味しい!日本を旅した時のアイデアから生まれたパンなのでしょう、何だか嬉しいです。

でろ~ん、と飛び出したようなこちらは「ブリオッシュ・プラリネ」。(型入りの大きなサイズはブリオッシュ生地、こちらは小さなサイズのものでデニッシュ生地でしたがこの名前で販売されていました。私の勘違いだったらごめんなさい。)もともと真っ赤なプラリネが入ったパンに目がない私ですが、こちらもとても好みでした。サクッとした食感と広がるバターの香り。日本でも美味しい「ブリオッシュ・プラリネ」が食べられるお店が増えたらいいなぁと切に願っています。

人気店はどこもそうですが、パリのパン屋さんの接客はスピード命。列に並びながら欲しいパンの狙いを定め、順番が来たら定員さんに、素早く、的確に欲しいパンを伝えます。「Utopie」は、英語が通じるスタッフさんが多く、担当してくれたお姉さんも感じが良かったです。せわしいながらも撮影許可をもらってささっと一枚レジから厨房をパチリ。飲み物も注文できます。店内にはカウンターの小さなイートインスペースがありますが、混雑していたので、お会計を済ませたらそそくさと店外へ避難。

お天気も良いので近くの公園のベンチで早速サンドイッチを頬張ります。

上はチキンと野菜のバゲットサンドイッチ。塩気と酸味のバランスが絶妙な味付け、パンもしっかり美味しいので大満足。下は、注文を受けてから焼いてくれる「LE CHAUD3‐FROMAGES」で、エメンタール、モッツアレラ、シェーブルの3種のチーズのパニーニ。とろ~りあつあつチーズがたっぷりでチーズ好きにはたまりません。どちらも良質な素材でつくるシンプルなサンドイッチ。青空の下で美味しいサンドイッチを食べる幸せを2人でシェアしながら楽しみました。最高!

 

カラフルで美味しいお菓子とヴィエノワズリ。ここにしかないユニークな食材の組み合わせのサンドイッチやパン。感性と閃きを現実に落とし込む優れた技術を持つ2人のシェフとチームは、ここにしかないパンとお菓子でこれからも私たちに美味しいしあわせを届けてくれるのでしょう。

そうそう、近くで立ち寄るなら、Clown BarYa Lamai Thai Restaurant もお店が可愛く、お酒も料理も美味しく良かったです。(昼からClown Barでワインを飲み、お米が恋しくなったらタイ料理を食べました。)

今後もしばらくパリ日記が続きますがお付き合いください。過去の日記はブログ一覧よりご覧いただけます。ではでは。

AOI

※1 エアビー :エアービーアンドビーの略。