今日ご紹介するのは、私たちの書籍「CRAFT BAKERIES」の韓国版を製作し、先日のソウルでのイベントの発起人でもあるTaesung Moさんのお店「Artisan Bakers」です。
ここはArtisanBakersのBaking school。卒業生が研修したり、職人も在中しているので店頭はパン屋でもあります。本店よりはパンの種類は少ないようです。雰囲気や造りからArtisanBakersのShowroomのような感じ。
四角いデニッシュは練乳のようなミルククリームが織り込んであります。生地に混ざっているわけでないようでデニッシュのなかでしっとりと存在しているからクリームの香りも楽しめました。
そしてクロワッサンはフランス産の小麦の香りの良さを大事にしたとMoさん。サクッ、ジュワ、鼻に抜けるいい香り、後味も上品です。
こちらはクロワッサンルーム!部屋が広く大きなシーターが2台。徹底した温度管理のもと折られています。写真の彼女がNo,1ベイカーだそうです。
クロワッサンルームの奥にはまた広々とした厨房が。
生徒さんにここで教えているのだそうです。Moさんは前日の翔くん(SHOPAIN ARTISAN BAKEHOUSE)のデモンストレーションで使用したルセットを手元にある材料を代用してパン作りを始めました。一緒にやりたい!とおもむろに参加する葵。あれ、なんかぐちゃってなって?Moさん苦笑いしてる(笑)
そもそも、彼が私たちの書籍「CRAFTBAKERIES」(以下CB)を韓国語に翻訳して出版する理由。小麦や酵母、はたまたパン職人にフォーカスした本書をきっかけにもっとパンとパン職人に興味を持って欲しいから、と言ってくれました。
日本ではCBにもあるように独学という方法でパン屋になった職人は多いのだけれど、韓国にはパンの教科書が本当に少なくて外国のパン本を訳しながら読まなければならず、独学という学び方が心底大変だということから小さく出版社を立ち上げたと言うことでした。研修センターを作ったのも、パン作りを教え込むため。どちらも決して容易いことではないと思います。パン屋を営む上で経営は重要だし、Moさんはそのあたりは堅実に行う経営者なのだけれど、それ以上に「韓国でのパンのこれから」に強い想いがある。韓国のパンの未来を想い、願い、希望を抱いて行動するMoさん。
日本と韓国の小麦畑の話をしている時、こんな素敵なことを話していた。「同じ畑で小麦とお米をシーズン交代で育てることを、北と南で手を組んでやれたら最高だ!」と。国内でパンとお米の需要と供給のバランスをとれたら良いし、それによって小麦の可能性(品質の向上や研究)が大きくなると良い、と。(恐らく)ユーモアを交えて放った言葉なのだろうけれども、抱える気持ちが伝わって私たちはMoさんのパッションに脱帽したのだった。
【Artisan Bakers】
Facebook https://www.facebook.com/pg/artisanbakerkr/about/?ref=page_internal
HP http://sourdough.co.kr
Moさんが営むお店はクロワッサン専門店とこちらのベイキングスクール店、他にもう1店舗。ソウルを訪れたらぜひ行ってみてくださいね。
ERIKA