シナモンが効いた、スウェーデンの伝統的なペストリー「カネル・ブッレ」が私は好きだ。シアトル市バラード地区に2011年にオープンしたカフェ「ザ・ファット・ヘン」に美味しい「カネル・ブッレ」があると聞きやって来た。迷わず注文し、頬張って、その美味しさに思わず笑みがこぼれる。
シアトル出身のリネアさんはスウェーデン系アメリカ人で、カフェの全てのペストリーを毎朝開店前に焼いている。オーナーであり、ベイカーだ。一番人気の「カネル・ブッレ」は、北欧のティータイムには欠かせない定番。同店の味は、祖母のレシピがもとになっているという。他にも、季節の果物を使ったケーキやアメリカ定番のチョコチップクッキーなど、コーヒーのお供にしたい焼き菓子がそろう。
旦那さんのマッシモさんはオーナー兼調理担当でナポリの出身。ブランチで人気のベイクドエッグや日常的でありながら良い素材を使った本場のイタリアンのメニューが味わえる。パリの料理学校で出会ったふたりの食と暮らしへのこだわりが調和し生まれた「ザ・ファット・ヘン」は街の人々に愛され、今日もみんなの憩いの場になっている。