埼玉県幸手市にある「cimai」は、店名の通り、姉妹で営むパン屋さん。姉の大久保真紀子さんは自家製酵母でパンを焼き、妹の三浦有紀子さんはイーストでパンを焼く。ふたりは雰囲気も、しゃべり方も、つくるパンもまるで違う。お互いのパンづくりを手伝うことはあっても、干渉はしないというふたり。付かず離れず、姉妹特有の距離感を絶妙に保ちながら、阿吽の呼吸で作業が進む。
お互い違った形でパンに関わってきたふたりの道がいつしか交差し始め、イベントなどに姉妹ユニットとして出店するようになると人気を博すようになる。その延長線上として、お店が出来たのは2008年。自分たちで壁に漆喰を塗ったという「箱」のような四角いお店は、一見、無機質に見えるが、中に入ると温もりであふれている。ていねいにつくられた可愛いパン達、アンティークの家具や作家さんの器、光の差し込む窓、売り場に漂う焼き立てパンの香ばしいかおり…。「空間づくり」を大切にした2人の感性と想いが詰まったとても居心地のいい場所だ。それぞれの食材に込められた生産者さんたちの想いを形にした、安心安全なパンがパン棚を彩る。
手織りのクロワッサンを頬張りながら、出来たてのあんバターサンドをかじりながら、「cimai」にあふれるあたたかさと、ここで感じるやさしい気持ちをぜひあなたにも体感してほしい。