鳥取県智頭町。大自然に囲まれた元保育園に「タルマーリー」がやって来た。2008年に千葉県いすみ市に、渡邉格さん、麻里子さん夫妻がオープンした「タルマーリー」は、岡山県真庭市の店舗を経て、2015年6月、智頭町に移転。現在は、野生の菌で醸すパンと地ビールが楽しめるカフェとして営業している。
雄大な景色を目の前にすると、この場所が一目で気に入ったというのも頷ける。深呼吸するだけで身体の内側から浄化されそうなパワーがあり、何より水が綺麗。これはパンづくりにも、ビールづくりにも最高の条件だ。「タルマーリー」では、地域の里山から採取する天然菌、那岐山の天然水、自然栽培の原料を使い、素材が持つ力を最大限にいかしてパンを焼く。格さんにとって、パンは表現のひとつにすぎない。「毎日挑戦と失敗の繰り返しだ」と、格さんは笑う。パンづくりというストイックな基盤の上に、皮肉と笑いを忘れずに「タルマーリー」は変わり続ける。
今度「タルマーリー」を訪れる時には、自家製ビール酵母の生地をペレットオーブンで焼き上げるあつあつのピザと、地元の天然水と野生酵母のみで醸造したオリジナルビールをのんびりと味わいたい。