西永福駅のすぐそばにある「コモレビ」を営むのは齊木俊雄さん久子さんご夫妻。 オープン以来、北海道産の小麦にこだわりを持ち続けているという。使用するのは「春よ恋」や「ホクシン」の石臼挽粉など10種類以上。自分たちの技術や想いはわずかに影響するだけで、小麦の美味しさ、すなわち素材の力でパンは美味しくなるのだと齊木さんはいう。農家さんのもとへ何度も訪れ、情報を交換しながら小麦で繋がる関係を大切に育んでいる。 齊木さんのつくるバゲットをはじめて食べたときの感動は忘れられない。歯切れの良いクラストに包まれたクラムはもっちり。素朴で力強い小麦の香ばしさと噛んだときにあっさりとした甘みが鼻腔に広がる。小麦と小麦をつくる人、自然の土壌といった、パンの背景をしっかりと感じられるパンづくりを胸に、齊木さんは今日もパンを焼く。