沖縄県宜野湾市。那覇空港から30分ほど車を走らせた外国人住宅街に、宗像堂はある。この10年で個性的なパン屋さんが続々とオープンし、今や「パン好きの聖地」とも言われる沖縄の新たなパン文化を牽引してきた一軒だ。
宗像堂では、小麦粉、林檎、長芋、人参、炊いたご飯、黒糖などからおこした酵母を使い、自分たちで作った石窯で薪を熱源にパンを焼く。店内に並ぶパンはシンプルな食事パンから、やんばる島豚のソーセージやアーサ、うっちん(うこん)など沖縄らしい食材を取り入れたパンまで幅広い。2016年秋からは、沖縄の読谷産の小麦をつかったパンも仲間入りした。
ぱちぱちと音を立て燃える力強くてやわらかい炎を眺めていると、大地の力を感じずにはいられない。エネルギーで満ち溢れる宗像堂で生まれるパンは、生命力の塊のよう。感謝しながら噛みしめ味わいたい。