緑あふれる軒先きと風通しのよい縁側、ゆったりとした雰囲気の店内で見られる風景もひとつひとつが穏やかで微笑ましい。森下想一さんと香さんご夫妻が営む「パン屋 水円」。
沖縄で採れる無農薬玄米や紅芋、黒糖、小麦粉でかけ継ぎ育ててきた酵母をはじめ、沖縄の素材でパンをつくる。毎日のパンに表れる変化を通して酵母も自分たちも生きているということを感じるのだ、と想一さんはいう。想一さんのつくるパンと香さんのつくるスープはやさしい味わいで、ひと口食べるごとに身体に沁みわたる。美味しいという感覚がゆっくりと喜びに変わる食事だ。
「水円」は、訪れる人々の「しあわせなひととき」を紡ぐ喫茶店のような場所。
つい時間を忘れて気の向くままに過ごしてしまう。